貸金業務取扱主任者 過去問
令和7年度(2025年)
問34 (貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問7)

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問題

貸金業務取扱主任者試験 令和7年度(2025年) 問34(貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

相殺に関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選べ。
  • 相殺の意思表示には、条件又は期限を付することができる。
  • 時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合であっても、その債権者は、これを自働債権として相殺をすることができない。
  • 相殺の意思表示は、その意思表示をした時から将来に向かってその効力を生ずる。
  • 当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

適切なものは、「当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる」という記述です。
この問題は、相殺の意思表示に条件や期限を付けられるか時効にかかった債権で相殺できるか相殺の効力がいつ生じるか相殺禁止の特約を第三者に主張できるのはどんな場合かを整理できているかがポイントです。

選択肢1. 相殺の意思表示には、条件又は期限を付することができる。

適切ではありません。
民法506条1項は、相殺は一方から相手方への意思表示によってするとしたうえで、その意思表示には条件又は期限を付することができないと定めています。したがって、この記述は条文と反対です。

選択肢2. 時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合であっても、その債権者は、これを自働債権として相殺をすることができない。

適切ではありません。
民法508条では、時効で消えた債権でも、その前に相殺できる状態になっていたなら、相殺をすることができるとされています。つまり、この記述は「できない」としている点が誤りです。

選択肢3. 相殺の意思表示は、その意思表示をした時から将来に向かってその効力を生ずる。

適切ではありません。
民法506条2項では、相殺の効力は、意思表示をした時からではなく、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼって生ずるとされています。したがって、「将来に向かって効力を生ずる」という説明は誤りです。

選択肢4. 当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる。

適切な記述です。
民法505条2項は、まさにこの内容を定めています。つまり、相殺を禁止したり制限したりしていても、そのことを知らない第三者には原則として主張できません。反対に、知っていた第三者や、重大な過失で知らなかった第三者には主張できます。

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02

内容が適切なものは、「当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる」という記述です。

選択肢1. 相殺の意思表示には、条件又は期限を付することができる。

本選択肢は、内容が適切ではありません。

民法第506条(相殺の方法及び効力)第1項は、以下のように規定しています。

相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない

相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってします。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができません。

選択肢2. 時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合であっても、その債権者は、これを自働債権として相殺をすることができない。

本選択肢は、内容が適切ではありません。

民法第508条(時効により消滅した債権を自働債権とする相殺)は、以下のように規定しています。

時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができる

 

選択肢3. 相殺の意思表示は、その意思表示をした時から将来に向かってその効力を生ずる。

本選択肢は、内容が適切ではありません。

民法第506条(相殺の方法及び効力)は、以下のように規定しています。

第1項 相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。

第2項 前項の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。

ですから、本選択肢の「その意思表示をした時から将来に向かって」の部分が適切ではなく、「債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼって」となります。

 

選択肢4. 当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる。

本選択肢は、内容が適切です。

民法第505条(相殺の要件等)は、以下のように規定しています。

第1項 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。

第2項 前項の規定にかかわらず、当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる。

まとめ

・相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってしますが、この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができません。

・時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができます。

・相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってしますが、この意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生じます。

・二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができますが、当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができます。

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